全日病について
会長の挨拶
全日本病院協会は、昭和35年に民間病院を中心とした全国組織として設立され、昭和37年に社団法人の認可を、さらに平成25年には公益社団法人としての認定を受け、今日では約2,560の病院が加盟する団体へと成長を遂げてまいりました。
私たちの協会は、「全国の病院が一致団結し、病院の質の向上とその社会的使命の遂行を図ることで、公衆衛生の向上と地域社会の健全な発展に寄与する」ことを理念に掲げています。そして、「すべての国民が安心して質の高い医療を受けられるように、医療人が誇りと達成感をもって医療に従事できる環境を整える」ことを基本方針とし、多様な取り組みを積み重ねてまいりました。
いま、私たちはすべての団塊の世代が後期高齢者となる2025年を迎え、2040年に向けて急速な人口減少、特に生産年齢人口の著しい減少という、かつてない社会構造の大きな転換点に立たされています。この「縮小社会」とも呼ばれる時代において、地域に根ざした病院が持続可能であり続けるためには、これまで以上の創意工夫と挑戦の精神が求められます。
新たな地域医療構想、働き方改革、医師の偏在是正、そして医療DXの推進など、私たちが直面する制度改革は非常に複雑で困難な課題です。しかし、診療報酬・介護報酬への対応を含め、これらはすべて「地域のために病院を未来へつなぐ」という大きな目標の一部であると私たちは捉えています。これらの課題に対して、私たちの現場の声と提案をしっかりと届けていく所存です。
「現状維持は後退である」という覚悟を胸に、私たちは会員病院の皆さまと共に、たゆまず前進してまいります。行政に対しては建設的な提言を行うとともに、現場で日々奮闘されている皆さまの声に耳を傾け、優れた実践や未来への希望となるような事例を積極的に共有し、共に学び合っていきたいと考えております。
副会長、常任理事、理事、監事、そして執行部一同、全国のすべての会員と力を合わせ、全日本病院協会はこれからも、日本の医療、そして地域医療を支える揺るぎない柱であり続けます。
今後とも、当協会の活動に対しまして、変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
令和7年7月吉日
公益社団法人 全日本病院協会
会長 神野 正博
